2024年1月23日|VLP Therapeutics Japan株式会社
- 治験第1/2相パート1で変異株レプリコン1ワクチンの忍容性と免疫原性を確認した
- 1、3、7.5、15µg全ての用量で免疫原性が確認できた(コミナティは30µg)
- 同用量の起源株レプリコンワクチンより有害事象の頻度が低く、発熱が少なくなった
VLP Therapeutics Japan(東京都港区、代表取締役:赤畑渉、以下「VLPTジャパン」)、医薬基盤・健康・栄養研究所、国立病院機構名古屋医療センター、北海道大学大学院医学研究院等の研究グループは、VLPTジャパン開発の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)変異株に対するレプリコン(次世代mRNA)ワクチン(VLPCOV-02)追加接種第1/2相臨床試験(治験)パート1で、安全性と有効性が同社開発の起源株レプリコンワクチン(VLPCOV-01)より改善されていることを確認しました。特に発熱は顕著な低減が認められました。
VLPCOV-01は、コミナティ(ファイザー製mRNAワクチン)と比較して、同程度の安全性(副反応)と、10~100分の1の用量で同程度以上の抗体価と持続性があることが、実施済みの臨床試験で示されています2。
VLPCOV-02の本試験結果は、米科学誌Cellの姉妹誌iScience電子版に、米国東部時間1月22日付けで掲載されました。本研究は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)ワクチン開発推進事業「自己増殖RNAテクノロジーを用いたわが国における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチン開発」の一環として行われました。
VLPTジャパンは、本試験パート1及び2の結果に基づき、VLPCOV-04(オミクロン株XBB.1.5対応1価ワクチン)の3µgの用量を用いた第3相臨床試験を2023年12月より開始しています3。今後の定期接種を見据え、VLPTジャパンは既存mRNAワクチンより低用量で効果と免疫持続性があり、大量・短期製造できる安全な国産ワクチン製造販売の承認申請を目指します。【ニュースリリース全文:PDF】
用語説明
- レプリコン(次世代mRNA):少量の接種で十分な抗体が誘導される、次世代型ワクチンの基盤技術。現行のmRNAワクチン技術と比べて10~100分の1程度の接種量となることから、同じ量のmRNAで比較した場合は多くの接種回数分のmRNAの製造が可能となることと、副反応が低減されることが期待される。
- 2023/8/16 ニュースリリース:新型コロナウイルス感染症レプリコン(次世代mRNA)ワクチン追加接種第1相臨床試験で低用量での高い抗原性と抗体価の持続性を確認:今後の追加接種に使える国産ワクチンの基盤技術として期待[Cell Reports Medicine 論文]
- 2023/12/20 ニュースリリース:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)変異株対応レプリコン(次世代mRNA)ワクチン追加接種 第3相臨床試験の開始について
論文情報
- 論文名:Safety and immunogenicity of VLPCOV-02, a SARS-CoV-2 self-amplifying RNA vaccine with a modified base, 5-methylcytosine
- 雑誌名:iScience(Cell Press)
- 著者:Masayuki Aboshi, Kenta Matsuda, Daisuke Kawakami, Kaoru Kono, Yoko Kazami, Takashi Sekida, Mai Komori, Amber L. Morey, Shigeru Suga, Jonathan F. Smith, Takasuke Fukuhara, Yasumasa Iwatani, Takuya Yamamoto, Nobuaki Sato, and Wataru Akahata*
- (*責任著者)
- DOI: https://doi.org/10.1016/j.isci.2024.108964
- URL: https://www.cell.com/iscience/fulltext/S2589-0042(24)00185-8
- 公開日:2024/1/22