VLP Therapeutics が免疫チェックポイント PD-1/PD-L1/PD-L2 挿入アルファウイルス VLP に関する重要な米国物質特許の登録査定を取得

本特許は免疫チェックポイント PD-1/PD-L1/PD-L2 挿入アルファウイルスVLPの物質ならびにがん治療への使用を保護します。

2017年4月19日、VLP Therapeutics, LLC(米国メリーランド州ゲイザースバーグを拠点とする治療および予防用ワクチンと抗体医薬の研究開発に特化したバイオテクノロジー会社、以下「VLP」)は、免疫チェックポイント PD-1/PD-L1/PD-L2 挿入アルファウイルスVLPを保護する物質特許について、米国特許商標局から登録査定を取得したことを発表しました。この特許は5月2日に発行されます。この特許は、VLP 独自が持つ i-α ウイルス様粒子基盤技術の重要な物質、がんを処置するための医薬組成物およびワクチンとしての使用を保護します。この特許や他の特許により保護される基盤技術を使って、VLP は現在予防および治療用がんワクチンの開発と次世代標的化抗体医薬の開発を行っています。

最高経営責任者、赤畑渉博士は「我々の基盤技術に基づく免疫チェックポイント PD-1/PD-L1/PD-L2 挿入アルファウイルスVLPについて強い保護をもたらすこのマイルストーンの達成を非常に嬉しく思います。この技術は、生体内の免疫系を使って従来の治療法よりも少ない副作用でがんと戦う次世代のがん治療法になると強く信じています。我々の候補化合物は、動物において複数のがんの種類にとても効果的であることがすでに分かっており、この技術は複数の異なるがんの処置のために、高いアンメット・メディカル・ニーズを持つ可能性があるとの信念を裏付けるものです。我々の新しいがんワクチンからより多くの人々が恩恵を受けることができると考えます。今回の特許取得は我々の知的財産戦略において更なる重要な要素であり、現在進行中の研究開発の基盤価値を大いに高めるものと信じています。この特許ならびに現在審査中の更なる特許によって、我々の研究開発プログラムを迅速に進めることができると考えます」と述べました。

i-α VLP 技術について

免疫系は生物学的に我々を病気から守るようデザインされています。人の免疫系は生体内のウイルス、バクテリアあるいはがん細胞のような異常な自己組織を検知し、これらを排除するよう試みるのみならず、記憶することで、将来これら異物から体を保護するよう働きます。ワクチンは免疫系を使って様々な疾患から我々を保護します。

従来のワクチンは生きたウイルスを使って作られているため、まれに重篤な安全性の問題を起こす可能性があります。従来のワクチンと異なり、VLP の新しい独自に所有する基盤技術はウイルス様粒子を使って作られます。ウイルス様粒子は本物の天然ウイルスと形が同じですが、天然ウイルスが持つ遺伝子物質を含みません。遺伝子物質を含まないため、これらの粒子は複製しません。このことは、ウイルス様粒子が生体内に存在する時、我々の免疫系が異物と認識し免疫応答をしても、遺伝子物質がないために天然ウイルスに伴う副作用が起こらないことを意味します。

これらのウイルス様粒子を使って、VLP Therapeutics はチクングニアウイルスVLPを使った挿入アルファウイルスウイルス様粒子 (i-αVLP)と呼ばれる独自に所有するプラグ・アンド・プレイ基盤技術を開発しました。この柔軟な基盤を通して、外来抗原は i-αVLP 表面のエンベロープタンパク質の2つの特異的部位に挿入することが出来ます。1つのチクングニアウイルス VLP 毎に240個のエンベロープタンパク質の複製物があり、それぞれの i-αVLP は挿入された抗原の大きな480個の複製物を提示します。この高度に対称的で正二十面の高密配列を持つ抗原がとても強い免疫応答を誘導し、優れた効果をもたらすことが示されています。また、従来のワクチンと異なり、ウイルス様粒子は、上述の通り、遺伝子物質を持たず、それ自体複製しないため、安全であり、FDAに承認されたB型肝炎ウイルスやヒトパピローマウイルスのワクチンを製造するために使用されています。VLP Therapeutics は商業生産に拡大可能な i-αVLP を効果的に生産する方法も確立しています。

VLP Therapeutics について

VLP Therapeutics, LLC(VLP)は、世界のアンメット・メディカル・ニーズに対処するため、従来のワクチン療法や標的化抗体療法を一変させる革新的な治療法を開発することをミッションとして、バイオ 医薬品分野における経験が豊富な専門家たちにより2012年に設立されました。弊社のビジョンは、革新的な次世代 i-αVLP(挿入アルファウイルス様粒子)技術を通じ、21世紀のグローバルな公衆衛生問題に取り組むことです。VLP 社は現在、がん、感染症(マラリア、デング熱、ジカウイルス由来疾患など)、自己免疫疾患および神経疾患に対処するための予防および治療ワクチンならびに次世代の標的化抗体医薬の開発も行っています。

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VLPセラピューティクス・ジャパンについて

VLP Therapeutics Japan株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:赤畑渉)は2020年、米国VLPセラピューティクスの100%子会社(当時)として設立されました。2024年現在、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)*1、AMED先進的研究開発戦略センター(SCARDA)*2 及び厚生労働省*3 の支援により、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)等に対するワクチンを、VLPセラピューティクス保有の自己増殖RNA(レプリコン)技術を用いて研究・開発中です。

  1. AMED事業名:令和2年度「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチン開発」(2次公募)/課題名「自己増殖RNAテクノロジーを用いたわが国における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチン開発」
    https://www.amed.go.jp/koubo/11/02/1102C_00002.html
  2. AMED SCARDA事業名:令和5年度 「ワクチン・新規モダリティ研究開発事業(一般公募)」/課題名「レプリコンプラットフォームテクノロジーを用いた今後出現する株を含めたユニバーサルコロナワクチン開発」
    https://www.amed.go.jp/koubo/21/02/2102C_00004.html
  3. 厚生労働省:ワクチン生産体制等緊急整備事業(第2次公募)採択結果
    https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_20482.html
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VLPセラピューティクスについて

VLP Therapeutics, Inc.(本社:米国メリーランド州ゲイサーズバーグ、CEO:赤畑渉)は2013年、世界の「満たされていないメディカル・ニーズ」に応え、従来のワクチン療法を一変する革新的な治療法を開発するため、赤畑渉が上野隆司博士、久能祐子博士らと設立しました。2024年現在、がんに対する治療ワクチンと、マラリア、デング熱、インフルエンザ等感染症に対する予防ワクチンの研究開発を進めています。

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赤畑渉(あかはたわたる)について

1997年、東京大学教養学部卒業、京都大学人間・環境学研究科入学。京都大学ウイルス研究所の速水正憲教授のもとHIVワクチンの研究開発に携わり、2002年に博士号取得。同年~2012年、米国立衛生研究所(NIH)ワクチン研究センター勤務。2009年からウイルス様粒子(VLP)を使ったチクングンヤ熱ワクチンを開発。2010年、同ワクチン研究成果を米科学誌Nature Medicineで報告、VLPが表紙を飾る*1。2012年、同ワクチン他3種類のアルファウイルスワクチン開発でNIH最高賞Director’s Award受賞。現在、VLP Therapeutics, Inc. CEO・創業者、VLP Therapeutics Japan株式会社 代表取締役・創業者・最高研究開発責任者、東京工科大学 客員教授、京都大学医学研究科 特任准教授、株式会社フェニクシー スペシャルフェロー。

  1. Wataru Akahata et al. A virus-like particle vaccine for epidemic Chikungunya virus protects nonhuman primates against infection. Nature Medicine 16, 334–338 (2010)
    https://www.nature.com/articles/nm.2105