メリーランド州ロックビル–(PR NEWS WIRE)—2014年3月25日– 新規かつ独自の i-αVLP 技術(「挿入アルファウイルス様粒子」の略)に基づく次世代抗体医薬と治療用および予防用ワクチンの研究開発を進め、ロックビルを拠点とするバイオテクノロジー企業である VLP Therapeutics, Inc.(「VLP」)は、共同創業者および前議長で、Sucampo Pharmaceuticals, Inc.(Nasdaq: SCMP)の最高経営責任者兼最高科学責任者である、上野隆司 医師、博士、博士が、本日付で議長兼最高医学責任者として VLP に加わると発表しました。
VLP の共同創業者兼最高経営責任者である赤畑渉博士は「上野博士が弊社のチームに加わることに、私は非常に興奮しています。上野博士は、医薬品の発見、研究、開発、ならびにスタートアップから上場段階まで、バイオテクノロジー企業の成長と管理において非常に素晴らしい専門知識をお持ちです。彼自身のプロストン・プラットフォーム技術に基づいて2つの新規製品を市場にもたらし、Sucampo を上場したグローバル製薬企業として成長させた上野博士の実績は、ビジネスの成長に焦点を当て、革新的で画期的な治療法を導入することで世界的なアンメット・メディカル・ニーズに対処しようとするVLPに、直ちに価値と資質を提供するでしょう」と語りました。「私は、より大きな社会的影響を与え、現在の治療法に十分な恩恵を受けていないか入手できない世界の患者に行き届く、革新的なワクチン療法を生み出すために VLP を設立しました。上野博士の専門知識を得た今、我々は弊社の化合物の研究開発を促進させ、アンメット・メディカル・ニーズをもった多数の患者のために新しい薬を生み出す臨床開発を開始することができると信じています。」と、赤畑博士は続けました。
上野隆司博士は、天然(内因性)脂肪酸であるプロストン類とその関連化合物の薬理学、生理学、および生化学において国際的に認められた専門家です。10年間の生物医学研究の後、上野博士は久能祐子博士とともに2つの会社―日本で株式会社アールテック・ウエノ、および米国で Sucampo を設立し、どちらも現在上場企業であり、上野博士が発見したプロストンに基づいた医薬品を販売しています。抗緑内障治療薬である Rescula® は、1994年に日本で商品化され、米国を含む45カ国以上で販売されてきました。AMITIZA®(ルビプロストン)は、成人の慢性特発性便秘症、便秘型過敏性腸症候群、およびオピオイド誘発性便秘の治療用途で、それぞれ2006年、2008年、2013年に米国食品医薬品局に承認され、スイス、イギリス、および日本でも規制当局の承認を得ました。上野博士は、著名な科学誌に100報以上の論文を執筆しており、彼の研究は世界中で1000件以上の特許と特許申請につながりました。
上野博士は、慶應義塾大学(日本)から医学士と医薬品化学の博士の学位を取得し、大阪大学(日本)から薬理学の2つ目の博士を得ました。彼は、コロンビア大学(米国)、京都大学(日本)、および大阪大学(日本)でアカデミック・キャリアを過ごしました。彼は、Foundation for Fighting Blindness の Visionary Award(2014年)、Ernst & Young Entrepreneur of the Year Award for the Greater Washington Area in the Life Sciences(2007年)、日本イノベーター大賞(2006年)など、多数の賞を受賞しており、アメリカ消化器病学会の名誉会員を務めています。
i-αVLP(挿入アルファウイルス様粒子)プラットフォーム技術について
今日、モノクローナル抗体を使用した分子標的療法は、がん、感染症、自己免疫疾患など様々な疾患を治療するための有効な治療法として確立されています。しかし、臨床医らは、分子標的療法として有効なモノクローナル抗体を追加しようとし続けています。さらに、効果的な免疫療法として使用されるモノクローナル抗体は、依然として非常に限られています。このようなニーズがあるにもかかわらず、モノクローナル抗体作成の複雑さと、適切なターゲットを見つけることが難しいことから、少数の新しい薬物が臨床に到達しています。
ウイルス様粒子(VLP)は、天然ウイルスのゲノム DNA または RNA を欠く以外は、本物の天然ウイルスの立体構造を模倣する多タンパク質構造です。これらの粒子は、免疫系に提示されると、天然ウイルスに付随する副作用を起こすことなく、効果的な免疫応答を誘発します。弊社の新規な独自の i-αVLP 技術は、アルファウイルスのVLPを利用して生み出されました。この αVLP 技術を利用して、その効力を高めることにより、VLP Therapeutics は、αVLP の特定の領域に標的抗原を挿入した新しい化合物(つまり、「挿入」または i-αVLP)の開発に成功しました。弊社のi-αVLPを作成する方法は、以下の理由により、従来のモノクローナル抗体を作成するよりも優れており、より効率的です。
i) 挿入抗原に対する抗体産生が高い
ii) 特定の抗原ドメイン/エピトープに選択的
iii) 抗原構造のコンホメーションを維持する抗原構造デザイン
これらの利点は、反復性で対称性の高い配置、大きな粒径、同じ標的抗原に対する応答を増強するために他の骨格をもつ αVLP が利用できること、および弊社が開発し、既に確立している、αVLP の特定の区域に特定の抗原を挿入する独自の新規方法など、i-αVLP の持ついくつかのユニークな特徴の結果です。
弊社は、既に我々の αVLP に様々な抗原を挿入する方法を確立しているため、抗原のスクリーニングを容易にし、さらに開発を進める最も有望な薬物を選択することができます。成功すれば、これは臨床医だけでなく患者にも、より幅広い革新的な治療選択肢を提供するでしょう。さらに、その効力のため、これまで標的とするのが困難であったウイルスまたはタンパク質に対する抗原の産生を可能にします。
さらに、弊社の i-αVLP は、治療ワクチンとしても予防ワクチンとしても開発できる可能性があります。現在、弊社は i-αVLP 技術に基づくマラリアワクチンを積極的に開発しています。弊社は、i-αVLP 技術を利用したがんワクチンの開発も模索しています。