VLP Therapeutics 長崎大学熱帯医学研究所と共同研究で合意

メリーランド州ゲーサーズバーグ –2015年4月1日– 独自の新規ワクチン技術に基づく治療用および予防用ワクチンと次世代抗体医薬の研究開発を進め、ゲーサーズバーグを拠点とするバイオテクノロジー企業である VLP Therapeutics, LLC(「VLP」)は、日本の長崎大学熱帯医学研究所と共同研究に合意したことを、今日発表しました。共同研究により、VLP のデングワクチン候補の研究開発が促進されることが期待されています。

VLP の共同創業者兼最高経営責任者である赤畑渉博士は「長崎大学熱帯医学研究所との提携に、私は非常に興奮しています。この研究所は、熱帯病の研究を行うために日本の文部科学省によってサポートされている唯一の公的機関であり、熱帯医学研究拠点として認定されています。特に東南アジアにおける研究所の豊富な研究経験は、デング熱ワクチン開発の弊社の取り組みを促進させるでしょう」と語りました。「デング熱は、公衆衛生上の重大な問題であり、世界の感染人口は非常に急速に増加しています。すべてのタイプのデングをターゲットにできるワクチンを、これらの集団が利用できるようにすることが重要です。この共同研究は、デング熱などの現在治療法がない疾病に対して新規かつ革新的なワクチンを開発すること、およびグローバルな公衆衛生の向上に寄与することへの、弊社のコミットメントを表しています」と、赤畑博士は続けました。

デングについて

デング熱は、デングウイルスによって引き起こされる、蚊が媒介する熱帯病です。世界保健機関(WHO)によると、デング熱は最も急速に広がっているウイルス性疾患で、推定5000万~1億人が毎年デング感染しており、30億人がデング熱流行国に住んでいます。この疾患を報告する国の数は劇的に増加しており、日本でも最近100例以上が報告されています。いくつかのワクチンが現在開発されていますが、デング熱の治療用に認可された治療法はなく、予防は現在のところ媒介生物の抑制対策に限られています。

長崎大学熱帯医学研究所について

長崎大学熱帯医学研究所は、1942年に設立されました。その目的は、関係機関と協力して熱帯病、特に感染症と、それらに関連する様々な健康問題を解決し、以下の分野で卓越した成果を上げることを目指しています:

  1. 熱帯医学と国際保健における最前線の研究
  2. 研究成果の応用による熱帯地域の疾病管理と健康増進を通じたグローバルな貢献
  3. 記の分野の研究者と専門家の育成
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VLPセラピューティクス・ジャパンについて

VLP Therapeutics Japan株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:赤畑渉)は2020年、米国VLPセラピューティクスの100%子会社(当時)として設立されました。2024年現在、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)*1、AMED先進的研究開発戦略センター(SCARDA)*2 及び厚生労働省*3 の支援により、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)等に対するワクチンを、VLPセラピューティクス保有の自己増殖RNA(レプリコン)技術を用いて研究・開発中です。

  1. AMED事業名:令和2年度「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチン開発」(2次公募)/課題名「自己増殖RNAテクノロジーを用いたわが国における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチン開発」
    https://www.amed.go.jp/koubo/11/02/1102C_00002.html
  2. AMED SCARDA事業名:令和5年度 「ワクチン・新規モダリティ研究開発事業(一般公募)」/課題名「レプリコンプラットフォームテクノロジーを用いた今後出現する株を含めたユニバーサルコロナワクチン開発」
    https://www.amed.go.jp/koubo/21/02/2102C_00004.html
  3. 厚生労働省:ワクチン生産体制等緊急整備事業(第2次公募)採択結果
    https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_20482.html
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VLPセラピューティクスについて

VLP Therapeutics, Inc.(本社:米国メリーランド州ゲイサーズバーグ、CEO:赤畑渉)は2013年、世界の「満たされていないメディカル・ニーズ」に応え、従来のワクチン療法を一変する革新的な治療法を開発するため、赤畑渉が上野隆司博士、久能祐子博士らと設立しました。2024年現在、がんに対する治療ワクチンと、マラリア、デング熱、インフルエンザ等感染症に対する予防ワクチンの研究開発を進めています。

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赤畑渉(あかはたわたる)について

1997年、東京大学教養学部卒業、京都大学人間・環境学研究科入学。京都大学ウイルス研究所の速水正憲教授のもとHIVワクチンの研究開発に携わり、2002年に博士号取得。同年~2012年、米国立衛生研究所(NIH)ワクチン研究センター勤務。2009年からウイルス様粒子(VLP)を使ったチクングンヤ熱ワクチンを開発。2010年、同ワクチン研究成果を米科学誌Nature Medicineで報告、VLPが表紙を飾る*1。2012年、同ワクチン他3種類のアルファウイルスワクチン開発でNIH最高賞Director’s Award受賞。現在、VLP Therapeutics, Inc. CEO・創業者、VLP Therapeutics Japan株式会社 代表取締役・創業者・最高研究開発責任者、東京工科大学 客員教授、京都大学医学研究科 特任准教授、株式会社フェニクシー スペシャルフェロー。

  1. Wataru Akahata et al. A virus-like particle vaccine for epidemic Chikungunya virus protects nonhuman primates against infection. Nature Medicine 16, 334–338 (2010)
    https://www.nature.com/articles/nm.2105