VLP Therapeutics が米国防総省から240万ドルの助成金を獲得

2016年7月14日、VLP Therapeutics, LLC(米国メリーランド州ゲイザースバーグ、以下「VLP Therapeutics」)は、マラリアワクチンの開発を推進するため、米国防総省から240万ドルの助成金を獲得したことを発表しました。 VLP Therapeutics は、独自のワクチン技術に基づく予防及び治療ワクチンと次世代抗体医薬の研究開発を行うバイオテクノロジー企業です。

VLP Therapeutics の創業者兼最高経営責任者である赤畑渉博士は「米国防総省の助成金受賞者として選ばれたことを大変嬉しく思っています。マラリアは、世界で最も深刻な公衆衛生問題の一つであり、33億人の人々に感染の危険性があります。また、マラリアは米国の軍にも影響を与えており、20世紀の全ての闘争における犠牲者よりも、多くの犠牲者を出してきました。しかしながら、現在のところ FDA(米国食品医薬品局)で承認されたマラリアワクチンはありません。私たちは、前赤血球段階をターゲットとした熱帯性マラリアワクチン候補 VLPM01 を開発し、同ワクチンは前臨床試験において有望な結果を示しました。今回の助成金は、現在有効な治療法がない疾患のために、革新的なワクチンを開発し、公衆衛生の改善に貢献するという我々のコミットメントをさらに推し進めることに繋がります」と述べました。

VLP Therapeutics について

VLP Therapeutics は、その創業者である赤畑博士が発見した独自のワクチン技術を基盤として、経験豊かな起業家のグループとともに2012年に設立されました。そのビジョンは、革新的なi-αVLP技術を通じて、21世紀のグローバルな公衆衛生問題に取り組むことです。世界のアンメット・メディカル・ニーズに対応するために、従来のワクチンと標的抗体療法を一変させる治療を開発することをミッションとします。VLP Therapeutics は現在、がん、感染症、自己免疫疾患、及び神経疾患の予防及び治療ワクチンと次世代抗体医薬の開発を行っています。

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VLPセラピューティクス・ジャパンについて

VLP Therapeutics Japan株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:赤畑渉)は2020年、米国VLPセラピューティクスの100%子会社(当時)として設立されました。2024年現在、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)*1、AMED先進的研究開発戦略センター(SCARDA)*2 及び厚生労働省*3 の支援により、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)等に対するワクチンを、VLPセラピューティクス保有の自己増殖RNA(レプリコン)技術を用いて研究・開発中です。

  1. AMED事業名:令和2年度「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチン開発」(2次公募)/課題名「自己増殖RNAテクノロジーを用いたわが国における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチン開発」
    https://www.amed.go.jp/koubo/11/02/1102C_00002.html
  2. AMED SCARDA事業名:令和5年度 「ワクチン・新規モダリティ研究開発事業(一般公募)」/課題名「レプリコンプラットフォームテクノロジーを用いた今後出現する株を含めたユニバーサルコロナワクチン開発」
    https://www.amed.go.jp/koubo/21/02/2102C_00004.html
  3. 厚生労働省:ワクチン生産体制等緊急整備事業(第2次公募)採択結果
    https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_20482.html
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VLPセラピューティクスについて

VLP Therapeutics, Inc.(本社:米国メリーランド州ゲイサーズバーグ、CEO:赤畑渉)は2013年、世界の「満たされていないメディカル・ニーズ」に応え、従来のワクチン療法を一変する革新的な治療法を開発するため、赤畑渉が上野隆司博士、久能祐子博士らと設立しました。2024年現在、がんに対する治療ワクチンと、マラリア、デング熱、インフルエンザ等感染症に対する予防ワクチンの研究開発を進めています。

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赤畑渉(あかはたわたる)について

1997年、東京大学教養学部卒業、京都大学人間・環境学研究科入学。京都大学ウイルス研究所の速水正憲教授のもとHIVワクチンの研究開発に携わり、2002年に博士号取得。同年~2012年、米国立衛生研究所(NIH)ワクチン研究センター勤務。2009年からウイルス様粒子(VLP)を使ったチクングンヤ熱ワクチンを開発。2010年、同ワクチン研究成果を米科学誌Nature Medicineで報告、VLPが表紙を飾る*1。2012年、同ワクチン他3種類のアルファウイルスワクチン開発でNIH最高賞Director’s Award受賞。現在、VLP Therapeutics, Inc. CEO・創業者、VLP Therapeutics Japan株式会社 代表取締役・創業者・最高研究開発責任者、東京工科大学 客員教授、京都大学医学研究科 特任准教授、株式会社フェニクシー スペシャルフェロー。

  1. Wataru Akahata et al. A virus-like particle vaccine for epidemic Chikungunya virus protects nonhuman primates against infection. Nature Medicine 16, 334–338 (2010)
    https://www.nature.com/articles/nm.2105