【プレスリリース】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する日本初となるレプリコン(次世代mRNA)ワクチンの第1相臨床試験の開始

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2021年10月12日|VLP Therapeutics Japan合同会社 / 国立大学法人 大分大学 / 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 / 公立大学法人大阪 大阪市立大学 / 独立行政法人 国立病院機構名古屋医療センター / 国立大学法人 北海道大学

 VLP Therapeutics Japan合同会社(本社:東京都千代田区、代表職務執行者:赤畑渉、以下「VLPセラピューティクス・ジャパン」または「当社」)は本日、大分大学(大分県、学長:北野正剛)で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するレプリコン(次世代mRNA)ワクチン(以下「VLPCOV-01」)の第1相臨床試験(治験)を開始し、同医学部附属病院臨床薬理センターにおいて初回投与が行われましたことをお知らせします。

 本試験は、20歳以上65歳以下の健康成人男女45名を対象とし、VLPCOV-01を2回筋肉内接種した時の安全性と免疫原性(有効性)を検討することを目的としたプラセボ対照ヒト初回投与試験です。本試験では、用量が異なる3つの接種群に分け、各接種群で被験者15名ずつが0.5mLを2回、4週間隔で接種します。レプリコン(次世代mRNA)技術を用いたCOVID-19ワクチンの企業治験としては、VLPCOV-01が国内初となります。

 本試験の中間解析の結果を踏まえ、2022年春に第2/3相臨床試験及び65歳以上の高齢者も対象とする第1相臨床試験の続きを開始する予定です。第2/3相臨床試験の実施については、厚生労働省、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)等と協議・相談のうえで決定します。 当社は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)及び厚生労働省の支援のもと国内6機関(医薬基盤・健康・栄養研究所、大分大学、大阪市立大学、国立国際医療研究センター、国立病院機構名古屋医療センター、北海道大学)と協力し、国産コロナワクチンの研究開発・臨床試験を進めています。VLPCOV-01治験薬は、富士フイルム株式会社が製造しています。

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VLPセラピューティクス・ジャパンについて

VLP Therapeutics Japan株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:赤畑渉)は2020年、米国VLPセラピューティクスの100%子会社(当時)として設立されました。2024年現在、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)*1、AMED先進的研究開発戦略センター(SCARDA)*2 及び厚生労働省*3 の支援により、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)等に対するワクチンを、VLPセラピューティクス保有の自己増殖RNA(レプリコン)技術を用いて研究・開発中です。

  1. AMED事業名:令和2年度「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチン開発」(2次公募)/課題名「自己増殖RNAテクノロジーを用いたわが国における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチン開発」
    https://www.amed.go.jp/koubo/11/02/1102C_00002.html
  2. AMED SCARDA事業名:令和5年度 「ワクチン・新規モダリティ研究開発事業(一般公募)」/課題名「レプリコンプラットフォームテクノロジーを用いた今後出現する株を含めたユニバーサルコロナワクチン開発」
    https://www.amed.go.jp/koubo/21/02/2102C_00004.html
  3. 厚生労働省:ワクチン生産体制等緊急整備事業(第2次公募)採択結果
    https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_20482.html
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VLPセラピューティクスについて

VLP Therapeutics, Inc.(本社:米国メリーランド州ゲイサーズバーグ、CEO:赤畑渉)は2013年、世界の「満たされていないメディカル・ニーズ」に応え、従来のワクチン療法を一変する革新的な治療法を開発するため、赤畑渉が上野隆司博士、久能祐子博士らと設立しました。2024年現在、がんに対する治療ワクチンと、マラリア、デング熱、インフルエンザ等感染症に対する予防ワクチンの研究開発を進めています。

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赤畑渉(あかはたわたる)について

1997年、東京大学教養学部卒業、京都大学人間・環境学研究科入学。京都大学ウイルス研究所の速水正憲教授のもとHIVワクチンの研究開発に携わり、2002年に博士号取得。同年~2012年、米国立衛生研究所(NIH)ワクチン研究センター勤務。2009年からウイルス様粒子(VLP)を使ったチクングンヤ熱ワクチンを開発。2010年、同ワクチン研究成果を米科学誌Nature Medicineで報告、VLPが表紙を飾る*1。2012年、同ワクチン他3種類のアルファウイルスワクチン開発でNIH最高賞Director’s Award受賞。現在、VLP Therapeutics, Inc. CEO・創業者、VLP Therapeutics Japan株式会社 代表取締役・創業者・最高研究開発責任者、東京工科大学 客員教授、京都大学医学研究科 特任准教授、株式会社フェニクシー スペシャルフェロー。

  1. Wataru Akahata et al. A virus-like particle vaccine for epidemic Chikungunya virus protects nonhuman primates against infection. Nature Medicine 16, 334–338 (2010)
    https://www.nature.com/articles/nm.2105