2021年11月4日|VLP Therapeutics Japan 合同会社
VLP Therapeutics Japan 合同会社(本社:東京都千代田区、代表職務執行者:赤畑渉、以下「VLPセラピューティクス・ジャパン」)とタカラバイオ株式会社(本社:滋賀県草津市、代表取締役社長:仲尾功一、以下「タカラバイオ」)は、VLPセラピューティクス・ジャパンが国内6機関※と共同研究開発中の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するレプリコン(次世代mRNA)ワクチン1原薬の製造委託に関する基本契約を締結しました。本契約に基づき、タカラバイオは同ワクチンのGMP2準拠mRNA原薬製造のプロセス全般を担う予定です。本原薬は、新型コロナウイルス変異株に対応する同ワクチンの開発・製造に使用されます。
◆ コメント:赤畑渉 VLPセラピューティクス・ジャパン代表
「これまで、原薬はアメリカで委託製造していたので、輸出規制対応や、通関などにより、ワクチン製造に遅延が生じた時もありました。この契約によって製造プロセスが加速化されることを期待しています。また、原薬はタカラバイオ社に製造いただき、その原薬を富士フイルム社に製剤化3いただくという純国産ワクチンの製造体制を構築し、ワクチン実用化後の長期安定供給にもつなげたいと考えています。」
VLPセラピューティクス・ジャパンは、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)及び厚生労働省の支援のもと国内6機関(※医薬基盤・健康・栄養研究所、大分大学、大阪市立大学、国立国際医療研究センター、国立病院機構名古屋医療センター、北海道大学)と協力し、国産コロナワクチンの研究開発・臨床試験を進めています。
<ご参考>本件に関するタカラバイオの発表
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するレプリコン(次世代mRNA)ワクチン原薬製造の基本契約締結
<本文注釈>
- レプリコン(次世代mRNA)ワクチン:少量の接種で十分な抗体が作られる、自己増殖型のmRNAワクチン。現行のmRNAワクチンと比べて10~100分の1程度の接種量となることから、短期間で日本全人口分の製造が可能となることと、副反応が低減されることが期待される。新型コロナウイルス表面にある突起状のSタンパク質全体を抗原とする現行のワクチンと異なり、レプリコンワクチンはSタンパク質のうちウイルスが人の細胞に結合して感染するRBD(受容体結合部位)と呼ばれる部分のみを抗原にしている。そのため、不要な抗体を作らないことによる高い安全性と、多様なRBDへの抗体を作ることによる変異株への効果も期待される。
- GMP:医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準(平成16年 厚生労働省令 第179号)
- 富士フイルム株式会社プレスリリース(2020/10/1):「バイオテクノロジー企業VLP Therapeutics社と新型コロナウイルス感染症ワクチン候補の製剤の製造受託契約を締結」