【ニュースリリース】米VLPセラピューティクス、2,100万USドルを調達:がんワクチンと感染症ワクチンの開発加速へ

2021年12月27日|VLP Therapeutics, LLC

がんの治療ワクチンやマラリア、デング熱等感染症の予防ワクチンを研究開発するVLP Therapeutics, Inc.(本社:米国メリーランド州ゲイサーズバーグ、CEO:赤畑渉、以下「VLPT」又は「当社」)は今月、双日株式会社、みやこキャピタル株式会社、ノーベルファーマ株式会社、株式会社三菱UFJ銀行、米国投資家Robert G. Hisaoka及びSK Impact Fund, LLC(代表:久能祐子)を引受先1とする第三者割当増資による計2,100万USドル(約24億円)のシリーズA-1出資契約を締結しました。

本資金調達により、当社が進めているがん治療ワクチン及びマラリア、デング熱など感染症領域の予防ワクチン研究開発をさらに加速させ、早期の治験開始・実用化を目指します。本件は、今年3月にがん治療ワクチン開発加速に向けて実施したシリーズA資金調達(1,600万USドル、約17億円)2に続く増資となります。

◆ コメント:VLPT CEO・共同創業者 赤畑渉

「がんや感染症に対するワクチンの開発は、世界中の人々が普通の生活を送ることができるようになれば、との思いで長年取り組んできました。今年3月、がん治療ワクチン開発加速のため増資いただきましたが、今回はそれに続く増資で、感染症ワクチン開発促進も視野に入れています。この意義は大きく、科学者として思うことを思う規模とスピードで実行に移せるようになり、経営者として大きな社会的インパクトを生むことにつながります。私たちのワクチンを1日でも早く、1人でも多くの人に届けられるよう尽力する決意です。」

◆ 出資者コメント:双日株式会社 社長 藤本昌義氏

「VLPT社は、がん治療や、マラリア、デング熱などの感染症予防のための革新的なワクチン開発を通じ、世界中の人々の健康と福祉の改善、医療の発展に大きな貢献をしていくものと確信しています。双日は今回の追加出資や事業運営サポートを通じて、数多くのワクチン開発実績と高い志を持つ赤畑社長やVLPT社メンバーの研究開発をご支援させていただくと共に、双日の持つ国内外のネットワークを活用しVLPT社のワクチン実用化に貢献できるよう尽力して参ります。」

◆ 出資者コメント:みやこキャピタル株式会社 取締役・パートナー 三澤宏之氏

「VLPT社は、赤畑CEOの長年のウイルス及びワクチン研究による深いサイエンスのバックグラウンドと、製薬ビジネスに精通し臨床開発を支える経験豊かなチームが融合したスタートアップ企業であり、感染症及びがん分野での革新的なプラットフォームを提供するリーディングカンパニーになると確信しております。当社の開発する様々なパイプラインが全人類のQOL向上に貢献するべく、出資者としても全力でサポートしていきたいと思います。」

◆ 出資者コメント:ノーベルファーマ株式会社 代表取締役社長 塩村仁氏

「VLPT社は、『必要なのに顧みられない医薬品・医療機器の提供を通して、社会に貢献すること』をミッションに掲げる当社と共通する経営理念を有しています。また、両社それぞれで開発中のマラリアワクチンや感染症ワクチンは相加・相乗的位置づけにあります。今回の出資により、Virus Like ParticleなどVLPT社固有の基盤技術を基にした感染領域での開発加速化に少しでも寄与できることを願っています。また、両社共通の目的である社会への貢献がより早く、効率的に実現できるよう感染症領域での相互協力を進めてまいりたいと思います。」

◆ 出資者コメント:株式会社三菱UFJ銀行 取締役頭取執行役員 半沢淳一氏

「私どもは、『世界が進むチカラになる。』をグループのパーパス(存在意義)として掲げ、全てのステークホルダーの皆様がより良い未来、新たなステージへ進まれるため、課題解決のお役に立ちたいと考えております。VLPTが『世界の満たされていないメディカル・ニーズに応える』との理念の下で取り組むワクチン開発は、まさにそれを体現するものであり、今般出資を行うことといたしました。今後、ワクチン実用化による社会的インパクトの創出に向けて、他のステークホルダーの皆様とともにVLPTの事業運営をサポートして参ります。」

<本文注釈>

  1. 引受先のうち新規投資家:ノーベルファーマ株式会社、株式会社三菱UFJ銀行 | 既存投資家:双日株式会社、みやこキャピタル株式会社、Robert G. Hisaoka、SK Impact Fund, LLC
  2. 2021/3/15 VLPT プレスリリース「米VLPセラピューティクス、がん治療ワクチン研究開発で1,600万USドル調達

<関連リンク>

ニュースリリース全文:PDFダウンロード

Picture of VLPセラピューティクス・ジャパンについて

VLPセラピューティクス・ジャパンについて

VLP Therapeutics Japan株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:赤畑渉)は2020年、米国VLPセラピューティクスの100%子会社(当時)として設立されました。2024年現在、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)*1、AMED先進的研究開発戦略センター(SCARDA)*2 及び厚生労働省*3 の支援により、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)等に対するワクチンを、VLPセラピューティクス保有の自己増殖RNA(レプリコン)技術を用いて研究・開発中です。

  1. AMED事業名:令和2年度「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチン開発」(2次公募)/課題名「自己増殖RNAテクノロジーを用いたわが国における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチン開発」
    https://www.amed.go.jp/koubo/11/02/1102C_00002.html
  2. AMED SCARDA事業名:令和5年度 「ワクチン・新規モダリティ研究開発事業(一般公募)」/課題名「レプリコンプラットフォームテクノロジーを用いた今後出現する株を含めたユニバーサルコロナワクチン開発」
    https://www.amed.go.jp/koubo/21/02/2102C_00004.html
  3. 厚生労働省:ワクチン生産体制等緊急整備事業(第2次公募)採択結果
    https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_20482.html
Picture of VLPセラピューティクスについて

VLPセラピューティクスについて

VLP Therapeutics, Inc.(本社:米国メリーランド州ゲイサーズバーグ、CEO:赤畑渉)は2013年、世界の「満たされていないメディカル・ニーズ」に応え、従来のワクチン療法を一変する革新的な治療法を開発するため、赤畑渉が上野隆司博士、久能祐子博士らと設立しました。2024年現在、がんに対する治療ワクチンと、マラリア、デング熱、インフルエンザ等感染症に対する予防ワクチンの研究開発を進めています。

Picture of 赤畑渉(あかはたわたる)について

赤畑渉(あかはたわたる)について

1997年、東京大学教養学部卒業、京都大学人間・環境学研究科入学。京都大学ウイルス研究所の速水正憲教授のもとHIVワクチンの研究開発に携わり、2002年に博士号取得。同年~2012年、米国立衛生研究所(NIH)ワクチン研究センター勤務。2009年からウイルス様粒子(VLP)を使ったチクングンヤ熱ワクチンを開発。2010年、同ワクチン研究成果を米科学誌Nature Medicineで報告、VLPが表紙を飾る*1。2012年、同ワクチン他3種類のアルファウイルスワクチン開発でNIH最高賞Director’s Award受賞。現在、VLP Therapeutics, Inc. CEO・創業者、VLP Therapeutics Japan株式会社 代表取締役・創業者・最高研究開発責任者、東京工科大学 客員教授、京都大学医学研究科 特任准教授、株式会社フェニクシー スペシャルフェロー。

  1. Wataru Akahata et al. A virus-like particle vaccine for epidemic Chikungunya virus protects nonhuman primates against infection. Nature Medicine 16, 334–338 (2010)
    https://www.nature.com/articles/nm.2105